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アン・ブリッジウォーターのスタイル改造から
日本に行ったときの感想まで
私の東京恋の歌 text by 張國榮
(88年 銀色世界 9月号より)



アン・ブリッジウォーターのスタイル改造から
日本に行ったときの感想まで
私の東京恋の歌

文:レスリー・チャン(@女性のファッションにはちょっとうるさい)

 ずっと以前から、僕はすでに、アン・ブリッジウォーター(柏 安(女尼))というこの女の子には隠れた素質があると思っていて、外見の美しさだけでなく現代感覚があり、また一種独特な気質もあるが、しかし当時役者としては余りよく知られてなくて、ただ良い感じと言う印象があるだけだった。

 アンが周りに与えていた印象・感覚というのは、清純な女学生的スタイルで、同じようなスタイルの女の子は香港のテレビ界、音楽界にも山のようにたくさんいた。そこで僕は、彼女のこの古いスタイルを突破してやろうと企んで、しばらく考えた結果、成熟して美しく、しかも気高さを併せ持つ、都会的で近代的な女性のスタイルを作ろうと決めた。きっと彼女に合うだろうこのスタイルで芸能界での発展を図ること、これはセンセーショナルな登場になると確信し、目標を定めて僕は着手した。 まず、ヘア・デザイナーに彼女の髪をちょっとカールした野生的な髪型にカットしてくれるよう依頼、メイクは、欧州の最新流行スタイルを取り入れた。アンは外国人の血が入っていて、優美で繊細な輪郭なので、この新しい流行のメイクにぴったり、そして続いてファッションを選ぶ仕事に入った。

 コンサートの経験も長い僕は、自分でも衣装を選ぶので、ツテもたくさんある。アンの体つきはどちらかというと華奢で、欧州ファッションは余りあわないので、彼女を連れて日本へ買い物に行き、いろいろ試した結果、シャツ・スカートを3セット、白い細身で肩紐(?)のジャケットに赤、青、黄、白の花柄のミニスカートを1セットを買った、これは記者会見で着たもの。

 あともう一枚、ノースリーブの黒いトップに、ピンクレッド・薄緑・紫が三層になったミニスカートのセット。これはパーティ用のセクシーなファッションだが、この服を買うときの話がとても面白くて、お店の人がテレサ・テンも同じようなミニスカートを買ったと言うので、アンがパーティにこの服を着ていった時は、「おそろい」になるんじゃないかと我々は心配してて、去年僕とアランが同じ服装で鉢合わせしたのと同じことになるんじゃないかと。幸いにも問題なく無事に終了し、みなほっとした。

 このスタイル・デザインなどの仕事にはとても興味があって、プロのスタイル・デザイナーは、自分の技術を使って独自の新しいアイデアで一人の芸能人を作り変える、これはクリエイティブでチャレンジ性のある仕事だ。
 デザイン顧問としては、必ず独特なテイストと創造力が求められ、またメイクやファッションの流行に対する認識も必要で、そういう意味では自分はこの条件に符合していると思う。しかしスタイル・デザインがいかに優れていようと、それは表面的なパッケージだけで、最も重要なのは、芸能人本人の本当の能力で、もし外見だけで中身が空っぽなら、線香花火のようにあっという間に終わってしまうだろう。

 僕はデザイン顧問を担当したが、アマチュア的な性格のもので、誰にでも代わりができるわけではない、ただめがねに合う芸能人に出会い、その人に素質があって、相手も僕を信用してくれれば、僕は腕前を発揮することができる。結局、一人のアマチュアとして言うなら、芸能人の為に一つの新しいスタイルを計画するのはとても頭を使うし、そのことだけに長い時間を要する。しかも僕の場合歌の仕事の忙しさでは耐えられないから、もしかするとこの仕事をやめたら、こっちの方面の仕事を考えるかもしれない。





 今回日本で半日時間があったので、記者の友人を連れて夜の新宿歌舞伎町へ行き、ゲーセンでいっぱい遊んで十分楽しんだ。
 おそらく芸能人の多くは僕と同じ感覚を持ってると思うけれど、撮影や旅行で外国に行くと、気持ちがリラックスできるし、それにとことん遊べる、香港では皆が自分たちのことを知っているから、公衆の場に行くと、ファン達が集まってきて、サインを頼まれたり僕と話をしたがるので、何をするにも縛られてる感じがある。

 もちろんこのようなファンの行動は、嫌いではないし、皆に満足してもらうのは嬉しい。何故なら、彼らの支持があってこそ、今の僕の小さな成功があるのだから。しかし、ずっとこうだと、時々、自由が、自分の私生活がなくなってしまう気がして、月日の経つうちに、撮影、歌、プロモーション等の仕事以外では、ほとんどの時間を家で過ごし、あまり外出をせず、煩わしさを避けるようになっていた。

 多くの友人が、私を迷信深いと笑うのだが、前回のコンサートのチケット販売でも、縁起のいい日にするために前倒しして発売したし、マネージャーのフローレンスに黄大仙へお参りに行ってもらったくらいで、様々なことに今時の若者らしくないところがある。

 友人達がからかうのは一笑に付しておいて、神頼みしたり吉日を選ぶのは迷信ではなく一つの仕事を始める時の、一種の儀式のようなもので、またこの仕事を重視しているということを周りに示し、神頼みで労せず益を得るのではなく、何をするにも心に僥倖ではできない、優劣勝敗は永遠に変わらない真理で、幸運の要素があるのでもない、だから神や仏に祈ってその力に頼ってもしょうがないし、この種の儀式を執り行い、仕事始めの吉日を選ぶのは、安心を得るためであり、僕が迷信を認めないというわけでもない。



 最近の香港はどのレコード会社も台湾マーケットでの成功を重視していて、たくさんの歌手がマンダリンのアルバムをレコーディングし、台湾で発売している。僕も例外でなく、最近マンダリンのアルバムを一枚レコーディングし、その反応は悪くないので、知名度を保つためにも、今後も時間を見つけて台湾に行きたい。

 台湾でのプロモーションの仕事を思い出してみると、ちょっと怖かったのを覚えてる。前回1週間行った時には、ぎっしり仕事が入ってて、テレビ番組9つ、ラジオは12個、そして新聞雑誌のインタビューと、毎日テレビ局とホテルの往復で、ゆっくり見て回る時間も無かった。
 しかし意義があったのは、たくさんのベテランのマンダリン歌手に会えた事で、孔蘭薫、謝雷、紫薇等、これら諸先輩がまだ活躍してるのを目の当たりにし、全く手抜きのないステージ・パフォーマンス、音楽界への敬意を持ったその仕事態度は、全く敬服するのみだ。

 新アルバムを台湾で発売した後、様々なルートから各方面の意見を聞いたところ、多くの評価で、僕のマンダリンが標準的で、発音もきちんとしているので、あるテレビ局のプロデューサーは僕にテレビドラマをオファーしたいと、それも同時録音で、アテレコする必要が無い、って言ったそうだ。
 僕は広東人だが、他の地方の友人も多く、耳が慣れていたので、自然にそこそこ身についていたのに加え、自分なりに努力した、だから皆の僕への賛辞も、幸運で得られたものではない。
 台湾では、僕に少なくないファンがいるとは、思っていなかった。しかし香港のファンとは全然違っていて、香港のファンはとても熱烈だけど、彼らは比較的おとなしくて冷静で、それに大学生もいて、歌に対する鑑賞水準もとても高い!

 最近はあちこち飛び回っていて、ヨーロッパに行った後はまた日本へ。主な目的はコンサートの準備で、欧州と日本ではたくさんステージ衣装を購入するが、前回欧州へ行った時はシーズンの切り替わりだったので、在庫は少ないし、新商品はまだ出てないので、合う服が買えなかった。だから日本では、それを補うためにたくさん買い込んだ、収穫はなかなかだよ。

 今度のコンサートで着る服は、サマー・カラー満載で、それは僕のコンサートも夏がテーマだから。夏の服装だけど、アロハ・シャツやショートパンツなんて簡単なのじゃなく、ほとんどどれもが高価なもので、スーツ何枚かでも10数万ドル、中でも、身ごろに本物のネックレスとアンティーク腕時計を縫いこんだのは、4万ドル以上したし、名人に仕立てを頼んだんだ。

 多くの業界人が、香港の芸能人は観衆を「甘やかす」と言い、コンサートではステージ・デザインに大金をかけ、音響は一流、歌手の衣装が少ないと不満を言う、反対に外国のコンサートは実にシンプルで、音楽や音響への要求は比較的高いが、ステージの工夫は多くなく、シンガーの衣装も普通で、香港の観衆が病み付きになっていて、パフォーマンスを鑑賞する傾向があり、単純にスターの歌を楽しむだけではない、と。

 僕はこれとは異なった意見を持っていて、どの国や地域のファンも、それぞれ異なった要求や鑑賞の仕方があり、これはテイストの問題で、分けることでもない、一人の芸能人として観衆の要求を満たす為に全力を尽くす責任を持ち、観衆が華麗な服装を欲するなら、変化多彩なステージに、皆の意見を聞いてやっていく、皆が見て満足する、それこそが成功したコンサートというものだ。
 観衆はチケットにお金を払っているのだから、自分達が好きなものを要求する権利がある、一人の芸能人として、できるだけ好みにあわせる努力をする、僕の原則は観衆第一で、コンサートのステージ毎に、見た人が価値があったと感じてくれる、それが僕の努力目標だ。



 最近「覇王別姫」という小説が業界でも話題の的で、たくさんの映画会社が映画化したいと言っていて、僕に出演オファーもある。この小説は僕も読んでいて、悪くないと思うし、映画の良い題材だけれど、しかし、一部同性愛に言及する内容なので、マネージャーは僕に勧めていない、スタイルに影響する危険があると。
 数年前、RTHKテレビ部の羅啓鋭がドラマ「覇王別姫」を撮った時も、僕に出演オファーがあったけど、その時は仕事が忙しすぎて断った。数年経ち、それをまだ蒸し返す人がいて、映画のオファーをくれる、まさかこの役柄が僕以外ではダメだなんて、本当にそんなことがあるだろうか。

 「覇王別姫」を僕に演じさせるのは、全く可能性がない訳ではなく、各方面との調整が必ずしも必要なのでもない、一番重要なのは僕に合う人選なのか、という点で、ジャッキー・チェンは物語の兄弟子の役を演じるのに最適な人物だと皆が思うように、私もこのような考えに同意する。劇中の人物が楽観的で豪放な性格なら、ジャッキーが演じれば別の人間は必要ないし、ジャッキー以外を考えるならば、「老井」を演じたチャン・イーモウだ。彼は豪快で質素な外見、深刻な演技で、この役を演じるのにぴったりだが、しかし彼は大陸の俳優で、大陸の政策がもう少し開放的に成らない限り、台湾マーケットでは、彼と共演できる可能性は高くない。

 それ以外の希望としては、スタンリー・クヮンかアン・ホイの監督であること、それは、彼らの監督技術は信用が置けるから。また私は出演料として二百万ドルを要求する。これはふっかけではなく、合理的な要求で、それは、自分のスタイルへの影響の可能性に対する補償でもある。実際この額は現在の僕の出演料より少し多いだけで、とてつもない額でもない、なぜ疑問を呈する人がいるのか分からない。
 今年、仕事の予定はもうびっしりで、撮影するとしても来年まで待ってもらうことになるが、もし全てが調整できれば、この役を演じたいと思う。



 一時中断されていたゴールドディスク賞の受賞式が復活し、今年は国際レコード協会(?)主催、TVBの生中継で行われる。このレコードビジネスの音楽活動に対しては、僕もとても支持しているが、残念なことに授賞式当日は、日本でのレコーディングが入っていて、この式典に参加できないので、とても残念、次の機会があることを祈っている。

 香港の音楽界は、毎年いくつか受賞イベントがある。TVBの十大勁歌金曲、RTHKの十大中文金曲と商業電台ラジオの中文歌曲擂台陣など、ただこれらはどれも放送機構主催で、最も人気のある歌と歌手を評価の対象にしていて、純粋にレコードの為の盛大な授賞式が欠如しており、今回のゴールドディスク賞の開催は、この隙間を埋めるものだ。

 レコード業界は大きな娯楽産業だが、業者が自分達で表彰式典を開催することにもろ手を挙げて賛成する。各大レコード会社が共通でこの認識を持ち、更に国際レコード協会の積極的な推進があれば、この受賞式典のスムーズな開催が可能だ。

 どんな受賞イベントの中でも、ゴールド・ディスク賞の公平さは疑い無いもので、それは、販売数が基本になっている上に、審査官の検査により、数字の偽装は不可能、争いも起こらない。
 ゴールド、もしくはプラチナディスクを獲得するためには、自分の実力を尽くし、幸運に頼ることもないので、より和気藹々とした雰囲気でできるし、この受賞式典には、歌手を鼓舞する作用もある。


+ 88年 銀色世界9月号より 訳 by Naomi+

資料 by F様 ありがとうございました



以上、つらつらと まぁ、長い日記でございました。
流れる川のようにすらすらと書かれている
文章(しかも話題もどんどんリンクして変わっていく)

で、どこが”恋の歌”なんでしょ?>レ



2004.9.11








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